
Xperia 1はいいぞ。
制作の業界でも「やりやがった」との声が聞かれる、SONYの2019年夏モデル「Xperia 1」。
16mm、26mm、52mmという3つの固定レンズやCinema ProでのLook(ピクチャースタイル的な)機能、BT.2020とHDR対応の有機ELディスプレイなど、ひじょーにエグイ機能が多数搭載されました。
購入して一週間ほどながら、これで撮りたいが故にちょこちょこ遠出しているところですが、もののついでにSONY のα7RⅢとスマホであるXperia 1、どちらが「使える」のか試してみました。
三脚に据えてじっくりと撮った映像ではありませんが、より一般人の使い方に近く、ということでご容赦を(笑)
α7の感想
フルサイズセンサーの写真機としてはもちろん、フルHD・4K(3840×2160)時60fps、瞳AF等機能も良好ですが、とにかくサイズ感と性能バランスが凄まじい本機。もうこれ以上ないだろ……と思う程、あらゆる欲しい機能が搭載され、痒いところに見事に手が届くカメラです。今回の映像は独特の熱量を持つ、フィルム時代のContaxレンズ。4Kの24fpsでXperia 1に合わせました。
最初の映像では結構ぶれていますが、とっさに思い付いた企画故に手ぶれ補正を設定していない為かと思います(笑)
5軸ですので、ちゃんと焦点距離を合わせて使えばめちゃめちゃ効きます。
LUT処理
αの初期設定、ピクチャープロファイルなしの映像はコントラストの強い「現代的」な印象で、Xperia 1で設定したLook「VENICE CS」には似ないとわかっていましたので、PP8に設定してLog撮影しました。つまり、元はかなり広い色域を持っていました。Davinci ResolveでS-Log3のLUTを当てた状態がこちら。
ぱっと見で調整した後がこちら。
コントラストを落とし、下を持ち上げただけ。やはりセンサーの傾向は同じようで、これだけでかなり近くなったと思いませんか?
Xperia 1の使用感
撮ってる最中は手ぶれが気になったのですが……後からディスプレイで見るとそこまで気になりませんね。スタビライザーはついていますが、縦に比べて横はわずかに甘い……と思っていましたが(略)
撮影に使用した「Cinema Pro」アプリは通常のカメラアプリから独立しており、UIや保存場所も違います。
起動したら「Projectの作成」としてまず4Kか2K、fps(23.97/29.97)、Look(SONY様公式サイト参照、これが凄まじく良い!)を選び、そこから3つのレンズとISO、シャッター速度にWBを変更しつつポチポチとShotを撮りためていき、Shotごとに共有や編集もできますし、Final Filmとしてまとめることもできます。
今回はPCで編集したかったので、一旦GoogleドライブにアップロードしてPCからダウンロードしてくる形をとりました。

絞りは標準26mmが1.6、16mmと52mmは35mm換算で2.4とかなり明るく、よくボケます。ISOは64~800。
シャッター速度はアングル表記と通常の速度表記で表されており、業務用シネカメっぽさを出しつつもちゃんと分かりやすさも持っているのが好印象。撮影中は21:9のディスプレイほぼいっぱいに映像が表示され、16:9クロップ地点には白いガイドが見えます。操作系はピントだけになり、映像に集中できます。
XZ3からカメラの画素数こそ減っていますが、そもそもイメージセンサーが小さいため気にはならず、映像で後から拡大するようなことはほぼないので問題ないですね。
αに劣る点といえば、
やはりスマホ故に吹かれには弱く、動画には入れていませんが浜の風に吹かれっぱなしでした。それでも海水浴客の声は聞こえていましたが。
あとはピーキング(ピントが合った地点に色を付けて視認できる機能)がないことくらいでしょうか?撮影時には、フォーカスとは別にピン送り用のインジケータかな?と思われる可変式スライダーが出現しますが、SONYのピーキングはとても見やすいので是非アプデを(笑)
それ以外には機能的にも表現力的にも全く劣ることなく、本当に「やりやがったな」という感じです。縦長のディスプレイも店頭では「でっか(笑)」という印象でしたが、3日ほどで慣れ、むしろ以前のXperia XZsが不細工に感じられる始末。ただしEDWINの後ろポケットからは4割ほどはみ出るので、ちょっとそこだけ不安。前なら大丈夫です。
さて、VENICE CSのLookを当てて撮影した映像そのままをPremiere CCに入れていますが、カラグレ時のリファレンスとしてDavinci Resolveに読み込んだ時のスコープがこちら。

うわ、波形まで綺麗(笑)
Xperia1はスゴい。
普通にちょっとした映画を撮っても、1時間は見ていられると思います。
slikからこれが付く三脚が出れば2時間いけます(笑)
スマホですからどうしようもない欠点は別として、よくもまあここまでの機能をスマホに突っ込んだなという感じ。もちろんLINEやらブラウジングやら、スマホゲームやらもできますが、Xperia 1の三分の二は「高性能な映像制作機器」です。このカメラとモニターのためだけに本体料金払ってもいいレベルだと考えます。カメラを嗜む方や映画が好きな方、ちょっとオシャレ~な「昔のオタク」気質な方に是非ともお勧めしたいです。
きっと、人生が楽しくなりますよ、これは。