
アメリカ留学中、大手楽器店「Guitar Center」にてBogner Ecstasy 101BとShiva 20thを試奏させてもらった際、そのあまりにも肉厚なリードトーンとレスポンスに驚きました。

日本に帰国後、Bognerの名に惹かれてEcstasy RED pedalを購入したんですが、このEcstasyのRED(本家アンプは12AX7の4段増幅)よりはShiva(3段増幅)のほうがダイナミックレンジが広く好みだったので、あまり使っていませんでしたが、。
ここ最近とあるバンドさんとの出会いによりハイゲインもイケるようになってきました。
自分の中での理想的なハイゲインリードのサウンドは、こちらの動画……特に1:44あたりから。
そんなわけで、このペダルをどうにか生かせないかと試行錯誤し、 大音量で鳴らしてパワー段は当然スピーカーやキャビまでドライブさせないと出ない音だとわかってきましたが、それでもなかなかに素晴らしい音が出るようになってきました。
試奏環境は、ギターからBELDEN 8412、Bogner RED→Fender THE TwinのPower Amp inへ。
ギターは当然、いつもの57年製スペシャル。オリジナルP-90は、バンブルビーキャパシターと併せるとPAFの音すらも出してしまう、最強のピックアップです。
本物のビンテージが持つ、見ただけでドキッとするような威圧感まで捉えるZeissの表現力は見事の一言に尽きる
— まふゆ.jp@福井バンド『Ashmall』 (@mafuyu0318) September 17, 2019
ほかにもいいレンズはあるが、これにしか出せない気配があるよね、そういう気配って後からの加工じゃ出せない
うーんビンテージギターと同じ#ギター #guitar #LesPaul #LesPaulSpecial pic.twitter.com/hI2tJb3tTx
こちらはGibson Historicとかで使われている純正のレプリカパーツですが、本物とは音も変化の仕方も違います。

当然のバンブルビー pic.twitter.com/bZcZkFGlhK
— まふゆ.jp@福井バンド『Ashmall』 (@mafuyu0318) April 10, 2019
今まで試した中では、こちらが変化の仕方的に一番満足度が高かったです。

トーン傾向
日本でいうと、まさにギルガメッシュとかの音ですね。海外だとAvenged Sevenfoldが「BognerとDiezel」両刀でレコーディングしてたはず。やっぱりBognerはどんなに軽くてもハードロック、実にブリッジミュートの似合うサウンドになります(笑)
同じハイゲインでもDiezelやKettnerの音圧とは違い、スムースでMarshallにローミッドを足したような太さを感じます。単純にMarshallをゲインアップさせた、ポップやロック系のギターサウンドという意味ではFriedmanあたりのほうが使いやすそう。

操作性・コントロール
ノブ、特に
- Treble
- Middle
- Bass
からなる3バンドEQは非常に効きが良く、1mmずらすだけでも変化が分かります。逆にGainはそこまで変化せず、8時方向を過ぎたらずっと歪んでる状態、歪量よりはサステインなどに作用する感じです。
Volumeの変化レンジは使いやすく、今回のようにリターン直刺しでも一般家庭からリハスタ、ライブまで安心してこなせるでしょう。
トグルスイッチ類は周波数的なレンジ感や、どの帯域が先に歪むかを可変します。
Variacは通常使いどころ無さそう。EVHの1st~2ndの音を狙うときには多少使えるかもですが、もともとアンプほど広大なダイナミックレンジのあるペダルではないので、自分からさらに狭めていくものではないと思う……。
Modeは基本Tightが好きです。Mellowはローの太いルカサートーンですが(笑)、基本的にはザクザクしたミッドがBognerの旨味だと思うので。ベースと被るようなローエンドをカットしつつ気持ちよくハイミッドに寄せてくれます。
Pre EQはb2が太くて気持ちいい。
Structureは20thか100ですね。20thだとゲインアップとミッドのハリが顕著に現れます。
アンプにもよるでしょうが、特にQが広いのかミッドに寄りすぎてモコモコに聞こえるサウンドになりやすいので、基本的にMIDは12時を超えないほうがいいと思います。
買ったばかりのころ、これに気付かずにミッドをかなり上げては「抜けねーなぁ」なんて言ってました。
動画でもわかるように、これだけのハイゲインにしてはボリューム操作にも追従してきます。ゲインとボリュームブースト機能もありますので、ライブなら問題なく一台で一曲通して弾けるレベルです。
短所
まあこれはアンプ・ペダル問わない問題ですが、ハイゲインものの宿命としてダイナミクスはあまり出ないので、バンドで合わせないと「つまらない」ですね(笑)
JCM800くらいまでのMarshallとかだと、ギター一本だろうが何時間でも弾いていられるんですが、こういうハイゲイン物は
- メタル系のリフ弾いて
- リード弾いて
- リフ弾いて
それで飽きてしまうことが多い。CDまたは生のドラム・ベースと合わせて弾いてなんぼ。
とはいえ、めちゃ格好いい音しますし欲しい帯域をしっかり出しつつも要らない帯域は出さない。バンドサウンドでのハイゲイン物は本当にこれ一台だけでいいと思う。「太くざらついた」ハイゲインサウンドが欲しいなら真っ先に試すべきだと思いますよ。
