【DTM機器レビュー】Bx_Console N(Neve VXS)何がスゴいのか解説
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実際にBx_Console Nを通して制作した音源はこちら。独特の粘り感が感じられるかと思います。

https://twitter.com/mafuyu0318/status/1339901852658278405

私はEシリーズのSSL卓で制作を学んだので、コンソールでミックスするのが好きです。DAWでもたいていSoftube Console 1 SSL 4000E/GまたはSSL 9000をメインとしており、空間系含めほぼすべてモデリング系プラグインしか使っていませんが、それができるのは優秀なチャンネルストリップ型プラグインがあってこそ。バイブでダウナーなサウンドを得たい場合は本機を使うことがあります。

アコースティックな楽曲からロック楽曲、ポップサウンドまで、ミドルレンジなテンポに適した特有のグルーブと広範なローエンドを持ち、独特の質感を与えることができます。

また、DAWでのレコーディング時には後述のTMTの為に本機をインサートしておくことも多いです。

UAD-2プラグインの、実際の開発元としても名高いBrainworx社。そのモデリング元となったNeve VXSコンソールは、Skywalker Ranch(STAR WARS等を手掛けたルーカスフィルムの本社兼スタジオ)で実際にオーケストラ収録用に使われていたもので、1073や1081、31105といったモジュールを積む「オールドNeve」80シリーズと、現行のRSシリーズとの間に位置する世代のコンソール。

オールドNeveのロールスロイス的なサウンドと、SSL4000的な優秀な操作感覚の融合、現代制作シーンに即した機能を持つ、いいとこどりのNeveコンソールといったサウンドです。

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アナログ機器の個体差を内包するモデリング

実在する有名アナログ機器、特にアナログコンソールのエミュレーションを行う場合、多くのメーカーが「最高にその機器らしい音のするチャンネル」一台だけを徹底してモデリングするのに対し、Bx_Console Nの開発元Brainworxは「最高にその機器らしい音のするチャンネルを基に、回路を構成するパーツの個体差を計算し複数のチャンネルを内蔵する」というアプローチを行いました。

「Tolerance Modeling Technology」と名付けられたこれは、アナログ卓特有の「ぶつかりのないステレオ感」をDAW内で完結するミックスにももたらします。

ギターエフェクターを自作する等、ある程度電子部品に馴染んだ人にとっては常識ですが、アナログ機器の回路を構成する抵抗やコンデンサーといった部品には公称値から5%程度のばらつきが存在し、これが数百という数集まる「回路」となると結構な違いが生まれます。

これにより、各チャンネルそのもののサウンドやEQの効き、定位の広がり等に個体差が生まれ、違うチャンネルで同じ処理を行っても出音に差が出ます。この個体差が「いかなる場合も違いを生まない」DAWのエンジンとの違いとなり、DAWでの自然なミックスが難しい理由の一つです。

PA卓程度でも、アナログ卓ならボリュームとパンだけでそこそこ聞けるミックスができるのはこれが理由の一つ。音が全く同じ場所に定位することが実質的に不可能だからこそ、音がぶつかり合わず、通すだけでミックスが完成してしまう。

つまり、Bx_Console Nを含むBrainworxのコンソールモデリングは、実在の1Chを基にコンソール72Ch分を一つのプラグインに内包しています。特にこのConsole_Nは、Brainworxの所有するスタジオに実際に置かれているもののモデリングであり、創設者かつCEOのDirk Ulrich 氏がほれ込んで導入されたコンソールでもあるため、大変に精度の高いモデリングをなされているように感じます。

さあ、見た目はなかなかインパクトがありますが(笑)、実際使ってみればすぐに分かります。以降詳細解説です。

https://mus1clab.com/mix-movie-201102
実際の楽曲とMVはこちら。
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