
クリエイターのためのハイエンドスマートフォン
SONY α7Rと比較してみたり、専用フードを自作してみたりと私の激推しな「Xperia 1」。
下の映像も、ほとんどをXperia 1で収録しています。対応デバイスでは、4K-HDR画質にてご覧いただけますよ!
HLGとはいえHDRに対応し、SONY製映画用カメラそのままなCinema Proの諧調も大変素晴らしく、α7Rの色味と比べ、あえてこちらを選ぶ事も多々。動画をご覧いただければ、その色味の凄まじさがお分かりいただけるはず。
そんなCinema Proですが、数少ない弱点が「スタビライザー」。
26mmと52mmレンズには光学手ブレ補正機能が入っていますが、静止してパン程度なら問題なくとも、流行りのドリーショットをやるには力不足。

しかし、ブレ補正に関しては解決策があります。つまり、ジンバル。
モーターの駆動によってスマホを浮かせ、振動や上下左右の揺れを逃し、手ブレなどの揺れを抑えてくれる機材です。
結論としては、「他人に見せるための映像を創るなら必須」でした。
DJI Osmo Moblie 3
今回購入したのは、ドローンやミラーレス用ジンバルも手がけるDJI製、2019年夏に発売されて間もない「DJI Osmo Moblie 3」。
3軸ジンバルとしての基本機能に加え、折りたたみ機構や、スリープモードや3時間程度の充電で15時間稼動、USB-Aポート搭載でジンバルからスマホへの電源供給まで可能と、実戦的な機能が盛り込まれています。
私は、SONY純正のスマホカバーを付けています。カバーを閉じた状態でも操作ができるという、例のアレです。
で、VR系だとか映像関連の周辺機器って、たいてい使う度カバーを外したり着けたりしないといけないものがほとんどで、結構萎える作業なんですが、動画の通りOsmo Mobile 3は
スマホカバーを付けたまま装着、撮影まで可能。
これすごく大事な点ですよね。取り付け時にカバーの垂れる側が下に来るように取り付ける必要はあるものの、iPhoneでよく見られるような「ケース型」はともかく、「カバー型」を着けたまま撮影できるというのは驚きでした。
下部には一般的な三脚が取り付け可能、動画ではManfrottoのビデオ用三脚を使っていますが、家庭用カメラ用も使えますし、手軽にこういったサイズのものがあると便利そうです。
えぐい
— まふゆ.jp@福井バンド『Ashmall』 (@mafuyu0318) October 3, 2019
だがこれだけの価値はあるんだ pic.twitter.com/CHWm7QzqnZ
操作性
コントロールは持ったときに親指で操作することになるパネル部と、人差し指で操作するトリガーボタンに分かれます。
パネル部は電源のオンオフやパンとズーム操作、ジンバルの吸収機構をオフにしつつbluetooth接続は保持しバッテリーを節約するスリープモード、また縦位置/横位置の切り替えに使い、トリガーボタンはMimoでのオブジェクトトラッキングやニュートラル位置のリセット等に使用します。
DJI Mimo
手元に到着後、純正アプリ「DJI Mimo」でアクティベートとファームウェアのアップデートが必要ですが、アカウント登録など含めても5分程で終わるでしょう。
その後はbluetoothで簡単に接続でき、Mimoで撮影すれば、スマホの動きを制御できるジンバルを活かして、お手本を参考にカメラを向けておくだけでスマホを勝手に動かして「映えるアクション付き」の映像を簡単に収録できる“story”モードや、コントラストを検知してるのか?画面に映った物体をロックオンし、そこにスマホを向け続けてくれる機能等にアクセスできます。
動画やライブハウス収録にて使用した感想
購入前に気になっていた点は、Cinema Proでドリーができるようになるか……スマホ用ジンバルの購入は初めてでしたので、「スタビライズ効果はDJI純正の対応アプリでしか発揮されない」のではないかと若干恐れていました(笑)
実際に使ってみて、純正アプリであるDJI Mimoがその真価を引き出せるのは確かです。
ジンバルについた録画ボタンやデジタルズーム機能、オブジェクトトラッキング機能などはMimo専用で、Cinema Proでは使用できません。
しかしCinema Proでもジンバルとしてのスタビライズ機能は問題なく働きますので、ムービングショットでも映画のように滑らかな映像が得られ、当初の目的は十分に達成できました。4kサイズと23.97フレームレート、rec.2020色域に、HLGとはいえHDRに対応したXperia 1。カラーグレーディングまで視野に入れた、こだわった映像を撮りたい方にはうってつけ。LOGでこそないですが諧調の粘りも優秀で、色調でかなり作りこめます。
昨今の「ライト層にも簡単かつ高コントラストな作品が撮れる」スマホとは逆を行く、「クリエイターの為のハイエンドスマホ」というコンセプトは冒険ではありますが、刺さる層は確実に居ます。Youtubeを挙げるまでもなく、誰もがクリエイターに成れる時代ですから、手軽にひとつの作品を作れるXPERIA 1は待ち望まれていた製品のはずです。
とはいえ、本格的な編集にはDavinci Resolve等カラーグレーディング用ソフトウェアと高階調にも対応するモニタが必要ですが、映像を繋げる程度なら手軽にスマホ本体だけでも可能。
26mmレンズのf値は1.6、52mmは2.4。レンズはかなり明るく、なおかつISOは64(!!)~800までありますので、今回の映像の様に、太陽光の屋外から地下のリハーサルスタジオといった極端な環境下でもしっかりと明るさを得られると思います。
購入の決め手となったのは、こちらの映像。
この撮影ではFreeflyを使用したようですが、ジンバル+XPERIA 1の可能性を感じ、ぜひこの質感が欲しいと思い導入しました。結果は大成功。
Osmo Mobile 3 + Xperia 1は、一気に可能性が広がる機材だと思います。映画のように叙述的な映像が撮れる。
Osmo Mobile 3を買って以来、XPERIAで映像を撮るのが本当に楽しくてたまりません(笑)
一度使ったら手持ちでは全く満足できなくなります、まだまだプロの構成には及びませんが、本当に買ってよかったと思います。