普通であればSM58やBeta 57Aあたりを使うことになると思いますが、ドラムボーカルの場合や、奏者側の利便性を重視するならば、ヘッドセット型マイクを導入する手も有り。
さて、ヘッドセット型マイクの利点は、勿論両手が自由に使えるという事にあります。
アイドル系のグループのライブを思い浮かべていただければわかる通り、その事によってパフォーマンスは大きく変わります。また、ワイヤレス式であれば線が絡んだりすることもないというメリットも。
そんなわけで、バンド/特にドラムのコーラス/MCマイクという観点で定番品をいくつかピックアップしてみました。
SHURE / WH20TQGワイヤレスヘッドセット
安心のブランドSHUREによる、単一指向性ワイヤレスヘッドセット。実際のパフォーマンス重視ライブやステージイベント等ではこの種のタイプをレンタルする事が多いです。
本来ワイヤレスマイクは、会場側からしてみればその安定性への不安やランニングコスト(電池)故に「必要がないなら使いたくない」類の機材ですが、SHUREはSM58やBETA58を例に挙げるまでもなく、実績あるメーカーですので使う方としてもまだ安心感があります。
注意すべきなのは、上記の様な"ワイヤレス"ヘッドセットの場合、ワイヤレスですから
実際に音を拾うマイク |
音声を無線電波に変換するトランスミッター |
無線を受信しPA卓に送るレシーバ |
という3つの機材を持ち込むことが必須となり、このレシーバーからXLRケーブルでPA卓へと接続することになります。
会場側にも負担をかけることになるため、必ず予め会場側と相談した上で持ち込んでください。当日持ち込みでは、大抵の会場は受け付けてくれないと思います。
ワイヤレスマイクには一度使うとなかなか手放せなくなる魅力がありますが、電池を動力源とする都合上通常のマイクよりも音質は劣りますし、強度的にも劣ります。当然電池がなくなれば使えませんし、その上、会場によっては他の無線系機材やインカム等との混信によって完全に使えなくなるリスクも少なくありません。
プロのステージにおいてもワイヤレスマイクは「不安の種」であり、大御所と呼ばれるようなアーティストさんであってもできるならば有線を使わせることも多いです。
ですので、基本的には有線式ヘッドセットマイクをお勧めします。
SHURE / WH20XLR
こちらは、同じくSHUREから出ているヘッドセットマイク。ワイヤレスではありませんが、その分セッティングが容易であり、ライブ中の混信などのリスクもありません。通常のマイク同様にXLRコネクタで出力するため、普通にSM58等のマイマイクを持ち込むのと同じ感覚でPAしてもらえます。
Audio-Technica/ PRO8HE
質実剛健なブランドAUDIO-TECHNICAによる有線ヘッドセットマイク。
こちらのマイクは上記SHUREよりも鋭い指向性を持ち、スネア・ハット・シンバル等、声をかき消してしまうような大音量の音源に対しても最大限の分離を実現します。パフォーマンスで大きく動いたりして、マイクにドラムの音が入ってしまったりするとPAさんは内心怒り狂うことでしょう(笑)
そんな中ですこしでも声だけをクリアに届けたいなら、こちら。
ちなみに、Classic Pro等から安価なワイヤレスシステムも出ていますが、コネクタの噛み合わせやスイッチの信頼性など細かな部分で不安点が残る製品の為、ここでは紹介いたしません。