CLA MixHubを一週間ほど使ってみて……

@mafuyu0318です。

Chris-Load-Alge、略してCLA。"ミックスの皇帝(LORD of The Mix)"の異名をとる、アメリカ西海岸を、ひいては世界を代表するMixerです。

そのサウンドは文字通り世界を変えたわけですが、そんな彼とプラグイン界の皇帝である「Waves社」がタッグを組み、CLAのサウンドとワークフローそのものをプラグイン上に再現した……と鳴り物入りのプラグイン。

彼と同じSSL 4000卓を使った経験のある私が、1週間実際に使ってみた感想です。

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結局、実機と比べてどうなの?

SSL 4000としての音に関しては、

似てますね。ただそれだけ。

正直言いまして、現状プラグインとして実機そのものの音が出るものは存在してないです(笑)

UADが一番近いですが、それでも比べれば「聞き心地」として違いが判ります。とはいえ、いずれのプラグインもSSLの特徴は十二分にとらえていますので、もはや見た目や操作性で選んでまったく問題ないと考えます。

私も自宅ではSoftube Console1を使っていますし。

mafuyu
そもそも、アナログ卓のサウンドはチャンネル+マスターセクションのサウンドですし、A/Dコンバータやケーブルなど卓以外の要素、その日の「調子」というものまで多分に含まれますから、そもそも再現できるものではないと思います。それでもSoftubeとUAD-2は素晴らしいですけど。

良い点

SSLエミュレーションのプラグインは多数ありますが、Wavesのエミュレーションが以前から優秀だった点である「EQの音が耳に痛くなりにくい」という特徴をそのまま引き継いでいます。

これはSSLに限らず、アナログエミュレーション系のEQにはブーストするとただ耳に痛いサウンドになってしまうものがいくつか散見されます。

(以前の記事でも、その点について少しレビューしています)

そんな中、MixHubは10dB超えの強力なブーストをかけても破綻せず出音がきっちりとついてくる。

Chris-Load-Alge本人も数値など意にも介さず、8kHzを15dBブーストなどという設定を当たり前のようにやる方ですので、この点はCLAの名を冠する以上は期待していましたし、期待通りです。

プリセットが充実している

大きな特徴として、このプラグインはプリセットが非常に充実しています。

プラグインのプリセットを使うか、あるいは使わないかというのはなかなか面白い議題なのですが、まあ実際のところ、バンドものの各楽器に求められるサウンドというのはそんなに大きく変わるものではないです。

CLAはポップ~ロック~メタルまで様々なアーティストを手がけていますが、いずれもそのほとんどがバンドサウンドあるいはそれに類するアレンジです。

同様のアレンジ傾向を持つ方なら、手軽にCLAサウンドを得られる近道となるのではないでしょうか?

プリセットと、私がセミナーで見てきた実際の卓の設定とを照らし合わせてみましたが、数値こそ違えど音の方向性はおおよそそのままといってよいかと思います。

楽器を選択して、その設定のEQ周波数やコンプのレシオなどは変えずに、ブースト量やスレッショルドだけを変えて自分の楽曲に合わせると簡単にCLAサウンドになりますよ。

ちなみに、以前より超ベストセラーとなっているCLA-SignatureプラグインのEQも、今回同様SSLのEQカーブがモデリング元です。……正確にはSSL、API、Neveの"いいとこどり"

あと、"インサートスロット"としてWaves社製のプラグインを一つMixHub内にインサートすることができますが、これに関しては……特にいうことは無い……

使うといえば使いますが、別になくても変わらんかな( ^ω^)・・・

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気になる点

さて、気になる点。

Bucket View表示、つまりMixHubの売りでもある画面ですが、トラックに刺さったプラグインごとにタブを記憶するので、一度プラグイン画面を切り替えたり、別のトラックのMixHubを立ち上げたりすると、表示されるタブが勝手に最初の画面(Backet viewであればinputのセクション)へと戻ってしまいます

inputセクションなどほとんどいじらないわけで、こうなるとまたEQ画面を表示させるのが地味~にめんどくさいので、一度プラグイン画面を表示させたらずっと表示し続け、同じプラグインウインドウ内でEQやCOMPのタブを切り替えていく使い方、まさにSSLデスクをメインにミックスする形になります。

同じようなコンセプトのConsole1と比べると、このウインドウ切り替えと多くの機能を一つの画面にまとめた/タブとして分けたことによる使いづらさを多少感じます。ウインドウサイズが大きい代わりに、Console1だと一画面で全ての機能にアクセスできます。

 

MixHubプラグイン画面。

Console1 プラグイン画面。

次に、「Backet View」でのグループにアサインできるトラック数が一つのグループに付き8トラックまでというのも気になります。

実機を使うなら、例えばコーラスのトラックが3本あったとして、それを一本のトラックにまとめてしまうというのはよくあること。このトラック数をまとめるというのは未だにアナログ卓を使う人間にとって悩みの種ですが、せっかくスペース等物理的な問題があるわけではないプラグインなんですから、増やせるだけ増やせた方が使いやすいのでは?

また、「OUTPUT」セクションにフェーダーが付いていますが、ソロやミュートはMixHubでは制御できないため、完全にDAWのミキサーから手を離すことはできません。

これは果たして必要だったのか疑問です(笑)

総括

そんなわけで、WAVES CLA MixHubを使ってみた感想です。

欠点も書いてはいますが、いずれもレイアウトや操作性といった面での話であり、製品クオリティとしては価格以上のものがあります。

WAVESは「外れがない」ド安定のプラグインメーカー。

今回のMixHubもその例にもれず、いろんな意味で安定したプラグインです。トラック単体に「Channel View」で使っていく分には上記の勝手に戻る現象は起こりませんし、出音もSSLの質感をとらえています。

現状セール中ですから、他社のプラグインよりも安価に買えることも十分メリットでしょう。

結局、私はConsole 1から乗り換えはしませんが。

Softube Console 1。専用DSPを使わない、CPUベースのSSLプラグインとしては一番の完成度だと断言します。 

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福井をメインにネット上でも活動するロックバンド、Ashmallでは、ギターやベース、ドラム演奏やボーカル提供、音源ミックス、コラボや記事寄稿のご依頼を随時募集中です。

ギタリストは絶対音感を持つ米国Musicians Institute卒、大変な価値を持つ1957年製Gibson LesPaul SpecialをメインにFriedman BE-100、Bogner Shiva、'71 Marshall 1987、Fender Twin等各種アンプを揃え、機材や理論にも明るく、ロックからファンクまであらゆるジャンルに対応可能。

音源制作においては、Avid ProTools、Universal-Audio AppoloとUAD-2プラグインシステム、SSL 4000E/9000K(by Softube)、Brainworx Bx_Console N(Neve VXS)/Bx_SSL 4000E等デジタル方面から、Avantone CV-12、Rupert Neve Designes SHELFORD CHANNELやNeve 1064、Chandler Limited TG2-500といったアナログの名機まで、「いい音」を創る為の機材を多数揃えています。

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