

@mafuyu0318です。
此度のWaves社新作プラグインは、Waves社とAbbey Road Studiosとのコラボレーションにより、そのスタジオ3のコントロールルームの音響を再現するものです。
Abbey Roadと言えば当然BeatlesとPink Floydは外せませんし、現代ではFrank Ocean, Lady Gaga。Ocean Way RecordingにOlympic、Power Plantといった伝説的なスタジオの中でも、レコーディング/ミックスともにトップクラスのスタジオでしょう。
かつては頭ガチガチの技術者集団に支配されていたそうですが(笑)、現在ではアカデミーを設立したりプラグイン開発に協力したりと手広くやっている印象。
以前からWaves社とAbbey Road Studiosは良好な関係にあり、”Curve Bender”の異名を持つRS56 イコライザやNeveの太さとAPIのパンチを併せ持つ"TG"シリーズコンソール、ディストーションプラグインとしても大変に優秀な(Studer)J37テープマシンを含む「Abbey Road Collection」等がすでに発売されています。


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その機能について解説
"コントロールルームを模倣"の意味
そんな中発売された「Abbey Road Studio3」は、前述の通り特定のハードウェアのエミュレーションではなく、コントロールルームとモニタースピーカーの音響特性をヘッドフォン上で再現するものです。
私は自宅では文字通り常にWaves Nxを通してPCを使っていますので、このシステムには非常になじみがあります。実際に使ってみた感想として、別にAbbey Road云々はどうでもいいですが、単純にいい音かつ精細、正確に聞ける環境というのが第一印象です。
通すと音が濁るというような言い方をよく聞きますが、実際の商業レコーディング/ミックススタジオの音響はこういう音です。イヤホンやヘッドホンの明瞭な音とは全く異なりますが、プロは音色そのものというよりも奥行き感の見やすさやEQ等変化のわかりやすさ、リバーブ/ディレイ等の残り方を見ますので、こういったチューニングをされています。
ヘッドホンミックスではどうしても(スピーカーが耳の真横、極めて近いわけですから)奥行きを感じにくく定位感も極端ですが、本プラグインを通したモニターサウンドは、フラットな周波数レスポンス、パンをわずかに変えるだけで聞き取れる精緻さ、奥行き感、アタックとサステインのつながり方など、共鳴を含めて設計/音響処理されたコントロールルームの音響そのままなんです。
実際にマスタートラックにインサートして、ドラムの太鼓などわかりやすいトラックでEQとかコンプを試してみると良いです。
明らかに変化が分かりやすいはずです。
ついでにヘッドホンのみでの作業時に比べ、長時間作業しても聞き疲れないというのもメリット。
埋め込み式の壁ラージモニター選択時の部屋の共鳴感、奥行き感等、実際にスタジオで作業していた身として「これこれ!」という感じです。卓も9000JですがSSLですし。
ボーカル関連の作業時にはNEARの卓上モニターへ切り替えたり、複数のスピーカーをパパっと切り替えてトラックバランスに問題が起こらないかチェックしたりと、実際のスタジオワークを再現できるのもGood。